大口公園の中に石碑のたつ、仁連木城趾。戦国時代の地元の有力な勢力、戸田氏の居城だったところで、1493年に戸田宗光によって建てられている。今橋城（吉田城）の牧野氏と、この仁連木城を拠点に争っていたそうだ。その後紆余曲折を経て、吉田城も仁連木城も徳川氏の手に渡るが、かの有名な長篠・設楽が原の戦いのときには、その直前に両城とも武田軍の攻撃を受けて耐えている。
そのように、戦国期には合戦が幾度となく行われていたわけで、近くの豊橋競輪場では改修工事の際、当時の武具や馬具が発見されたそうである。
だが現在、仁連木城趾の碑の建つ大口公園には老人福祉センターも建てられ、当時の面影はあまり見あたらず、地域の憩いの場として利用されている。強いて言えば、斜面や土手が当時の空堀などの遺構なのであろうか。今はそんな場所も鬱蒼と木が茂っており、まさに「森」といった印象を受ける場所でもある。